私は肝胆膵外科,移植外科を専門とし,大学院で肝臓内免疫に関する基礎研究を行い学位を取得しました。その後,アメリカのPittsburgh Universityにて肝移植後の免疫寛容について研究を始め,大学病院において肝胆膵外科および移植外科の臨床と移植免疫学の研究に従事してきました。また,肝臓癌再発予防を目的とした肝臓癌に対する肝切除および生体肝移植後の細胞療法に関する臨床研究にも取り組んできました。
肝臓癌の治療には手術,ラジオ波焼灼療法,肝動脈塞栓療法,薬物療法,放射線治療などがあります。私たちが主に行っている手術(肝切除)は,癌の位置や患者様の肝機能に応じて様々な術式を選択します。また,肝機能が低下している場合には広島大学病院等で行っている肝移植が適応となる場合もあります。さらに,高度進行癌ではひとつの治療法にこだわらずに,他科とも連携した集学的治療が非常に重要となります。これまでの経験を活かし,患者様の状態や癌の進行度に応じた最適な治療を提供できるよう,日々努力を続けて参ります。今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。