各がんの診療内容
口腔がんは、がん全体の中で約2~3%の率で発生していますが、年々増加傾向にあり2015年には1975年の4倍近い患者数(約7800人)になると言われています。
口腔内のどこからでもがんは発生します。最も多く見られるのは舌がん(約60%)で、次いで歯ぐきのがん(歯肉がん)、舌の下側の口底がん、頬粘膜がんなどの順です。
ほとんどの場合、初期は痛みを感じることが少ないか無痛の腫れです。潰瘍ができても口内炎と誤診されやすく、口内炎が治らないと訴えて受診されることも多いです。がんが大きくなるとコブ状の出来物となり、多くの場合潰瘍を伴って痛みが出てきます。

放射線治療と抗がん剤治療を併用して行った後に、手術でがんを切除する3者併用療法を基本としています。また舌がんや上顎がんでは、がんの栄養血管に直接抗がん剤を注入する治療(超選択的動注療法)を施行しており、高い効果(奏効率95%)を得られています。
動注化学療法
左:浅側頭動脈あるいは大腿動脈から外頸動脈を経て腫瘍の血管へカテーテル挿入し抗がん剤を注入
右:腫瘍血管が造影されている

がんを切除した後の組織欠損は形成外科医とのチーム医療によって、見た目にも機能的にも満足できる組織再建を行っています。


放射線と抗がん剤を併用すると重症の口内炎が発症します。こういった時の疼痛緩和のために、治療の早い時期から緩和ケアチームに介入して頂き、治療が完結できるようにサポートをしてもらっています。
口腔がんの進行程度は、腫瘍の大きさ、リンパ節転移の程度、転移の有無等を総合して、4段階の病期(Ⅰ~Ⅳ)で表現します。腫瘍が小さくリンパ節転移の無いI期は良好ですが、より大きい腫瘍や頚部リンパ節に転移のあるものは治癒率が悪くなります。当科での治療成績では5年生存率は、Ⅰ:100%、Ⅱ:90%、Ⅲ:50%、Ⅳ:54.5%です。全症例での5年生存率は85%で全国的にみても良好な成績と言えます。
口腔内を常に清潔に保ち、入れ歯、虫歯の鋭端部等による傷に気をつけましょう。タバコの吸いすぎ、アルコール飲料の過度の摂取などにも注意しましょう。
特に、タバコが肺だけでなく口腔がんの原因としても挙げられています。
口腔に関心を持ち、年に1回ぐらいは口腔内全般の検診をお薦めします!
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