各がんの診療内容

子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)

女性のがんについて

  • 子宮がんとはどのようながんですか?

    子宮がんは子宮に発生する悪性腫瘍です。子宮の入り口の部位にできる子宮頸癌と子宮の奥の部位にできる子宮体がんがあります。以前は子宮頸がんが圧倒的に多く、近年では子宮体がんが増加しており、子宮がん全体の40%を占めています。発症年齢は、子宮頸がんは若年化しておりピークは30代後半から40歳代、子宮体がんは閉経前後50~60歳代に多く発症します。

  • 子宮がんの症状はどのような症状ですか?

    子宮頸部上皮内がんは無症状であり、がん検診で初めて発見されます。子宮頸がんでは接触出血、帯下などの症状があります。さらにがんが進行すると、腰痛、足の痛み、下腹部痛などが出現します。
    子宮体がんの92%に不正出血の症状があり、通常は閉経後に多くみられます。その他、褐色異常、下腹部痛、腰痛などもあります。

  • 子宮がんの予防法はありますか?

    子宮頸がんの多くはHPV(ヒューマンパピローマウィルス)感染との関係が認められており、ワクチンによる予防が可能と言われています。しかし、ワクチン接種後に慢性全身疼痛が非常にまれに出現したため、原因調査中であります。現在はワクチンの積極的な干渉はされていません。早くワクチン再開が望まれるところです。そのため、現時点ではがんの早期発見が最も重要です。皆さん検診に行きましょう。

    将来、子宮頸がんにならないために、2つのポイントがあります!

    ➀子宮頸がんを予防するワクチンがあります!

    ➁もし、発がん性HPVに感染してしまっても、がんになる前の段階で発見できれば、治すこともできます!

    子宮体がんの確実な予防法はありません。高脂肪・高タンパクを中心とする食生活の欧米化により、肥満、高血圧、糖尿病の増加や晩産化・未産率の上昇などが子宮体がんのリスク因子と考えられています。
    生活習慣病に気を付けましょう。

  • 子宮頸がんと子宮体がんの広がり(進行期分類)について

    子宮頸がんの進行期分類

    0期
    Ⅰ(Ⅰa~Ⅰb)期

    がんが子宮頸部にとどまっているもの

    Ⅱ(Ⅱa~Ⅱb)期

    がんが子宮頸部をこえて広がっているが、
    膣壁の下1/3または骨盤壁には達していないもの

    Ⅲ(Ⅲa~Ⅲb)期

    がんの浸潤が膣壁の下1/3に達するもの、
    または骨盤壁に達するもの

    Ⅳ(Ⅳa~Ⅳb)期

    がんが膀胱や直腸の粘膜を侵すか、
    小骨盤腔をこえて広がっているもの

    子宮体がんの進行期分類

    Ⅲ(Ⅲa~Ⅲb)期

    がんが子宮体部に限局しているもの

    Ⅳ(Ⅳa~Ⅳb)期

    がんが頸部間質に浸潤するが、
    子宮をこえてないもの

    Ⅲ(Ⅲa~Ⅲb)期

    がんが子宮外に広がるが、
    小骨盤腔をこえていないもの、
    または所属リンパ節へ広がるもの

    Ⅳ(Ⅳa~Ⅳb)期

    がんが小骨盤腔をこえているか、
    明らかに膀胱ならびに・あるいは腸粘膜に浸潤しているもの、
    ならびに・あるいは遠隔転移のあるもの

  • 子宮がん検診はどのようにしますか?

    子宮頸がんでは、内診と子宮頸部を綿棒やブラシなどでこすって細胞を採取する擦過細胞診が一般的です。この検査は痛みがほとんどありません。この検査で異常が認められると、コルポ診、組織診を行います。また、最近ではHPVテストで子宮頸部のハイリスクヒトパピローマウイルスを検出する検査もあります。子宮頸がんには前がん状態の期間があり、前がん状態やがんの早期に発見されると子宮を摘出しなくても治癒します。皆さん検診を受けましょう。
    子宮体がんの92%は不正出血がみられます。その時点で受診されれば多くは1期(初期)のがんであり、治療により治癒します。検査は子宮内膜細胞診と組織診です。閉経前後で不正出血のある方は、検査を受けましょう。

    子宮頸がんの検査・診断

    細胞診

    子宮の入り口(外子宮口)の表面をブラシやヘラのようなもので擦り、細胞を採取

    ◎コルポ診

    子宮頸部を拡大して観察する検査

    ◎組織診

    疑わしい部位から搾取し、悪性度やがんの進行度を診断

    ◎HPVテスト

    2010年より保険適応

    子宮体がんの検査・診断

    ◎細胞診

    子宮の内部に細い専用器具を挿入、内面を擦って細胞採取

    ◎組織診

    細胞診で異常を認める場合や超音波検査で子宮内膜が厚い場合に、専用の器具で子宮内膜の一部を採取

    ◎ヒステロスコープ(子宮鏡)

    ◎画像診断(超音波検査・MR・CT)

    がんの進行度やリンパ節腫大の有無

  • 子宮頸がんの治療は?

    子宮頸部異形成・子宮頸がん初期病変で挙児希望(子供を産むことを希望)のある患者さんは、お腹を切ることなく、がんのある子宮頸部の組織を円錐状に切除する(円錐切除術)方法で治療します。
    一般的には、手術可能な初期の患者さんについては、開腹手術によりリンパ節を含めて取り除く広汎性子宮全摘術を行います。また、進行したがんや高齢者・重篤な合併症をもつ患者さんに対しては放射線治療を行います。また、最近では放射線治療に化学療法を併用することにより治療効果を高めています。

    【円錐切除術】

    病巣部のみを切除

    【広汎性子宮全摘術】

    広汎性子宮全摘術における組織の切断線

    子宮頸がん(0~1a)の治療
    (子宮頸部上皮内がん・微小浸潤がん)
    子宮頸がん(1b~4b)の治療
    (子宮頸部浸潤がん)
  • 子宮体がんの治療は?

    挙児希望のある子宮内膜異形増殖症、子宮体がん1A期・G1(初期)症例に限って高容量黄体ホルモン療法を行い、腫瘍部位の消失が確認できた症例においては子宮温存療法(手術をしないで子宮を残す)を行っています。挙児希望がなく、がんの治療を希望される場合には、子宮体がんガイドラインに従い手術(子宮全摘術+両側付属器切除+骨盤リンパ節廓清)をします。重症な合併症や進行がんの場合は、放射線療法、化学療法、手術療法を組み合わせ集学的な治療を行っています。

    子宮体がんの治療
  • 当院での年間子宮頸がんと子宮体がんの症例数と婦人科腫瘍学会での5年生存率は?

    ステージ別症例数

    子宮頸がん子宮体がん
    平成25年
    例数
    平成26年
    例数
    平成27年
    例数
    平成25年
    例数
    平成26年
    例数
    平成27年
    例数
    Ⅰ期739201827
    Ⅱ期837514
    Ⅲ期101362
    Ⅳ期637352

    ステージ別5年生存率

    子宮頸がん子宮体がん
    5年生存率5年生存率
    Ⅰ期93.0%94.5%
    Ⅱ期73.1%90.3%
    Ⅲ期55.2%74.2%
    Ⅳ期24.2%24.0%

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