心臓血管外科
診療科紹介

理念
「からだへの負担を抑えた先進的治療と、緊急時に迅速に対応できる体制」
当科は、心臓弁膜症、虚血性心疾患、大動脈疾患を中心に、幅広い心臓血管外科診療を行っています。 私たちは、「低侵襲手術(MICS)の積極的導入」、「大動脈緊急手術への迅速な対応」、**「次世代を担う人材の育成」**を三つの柱とし、患者さん一人ひとりにとって最善の治療を追求しています。地域の先生方と密に連携し、誰もが安心して相談・受診できる診療体制の整備に努めています。
なお、当科では日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目的としたNational Clinical Database(以下NCD)プロジェクトに参加しています。
当科の3つの強み
1. 身体に優しい「低侵襲手術(MICS)」で早期回復を
患者さんの負担を最小限に抑えるため、**低侵襲心臓手術(MICS)**を積極的に行っています。
- MICSとは: 従来の胸骨を大きく切開する方法とは異なり、肋骨の間を5〜8cm程度小さく切開し、内視鏡を用いて行う手術です。
- メリット: 出血や感染リスクが低く、術後の痛みが少ないため、早期のリハビリテーションや社会復帰が可能です。
- 機能温存: 僧帽弁・三尖弁疾患では、自己弁を温存する「弁形成術」を第一選択とし、Maze手術や左心耳閉鎖術を組み合わせた治療も行っています。また冠動脈バイパス術(MICS-CABG)にも対応しております。

2. 命をつなぐ「緊急手術」への迅速な対応
- 急性大動脈解離や大動脈瘤破裂といった、一分一秒を争う救急疾患に対し、24時間365日体制で臨んでいます。
- 迅速な体制: 夜間・休日を問わず、診断から治療開始までを最短距離で結ぶため、院内の関連部門と密接に連携しています。
- 最適な選択: 患者さんの状態に合わせ、ステントグラフト内挿術(カテーテル治療)と人工血管置換術のいずれか、あるいは双方を組み合わせた最適な術式を選択します。
3. 質の高い医療を支える「チーム医療」と「人材育成」
- 次世代を担う専門医の育成は、地域の医療水準を維持するために不可欠です。
- 教育施設: 日本外科学会および心臓血管外科専門医認定機構の基幹・修練施設として、若手医師の教育に注力しています。
- 多職種連携: 看護師、臨床工学技士、リハビリスタッフ、麻酔科医師、循環器内科医師などが参加する他職種カンファレンスを定期開催し、多角的な視点で治療方針を検討しています。

合同カンファレンスの様子
- 手技研鑽: 近隣病院の医師や学生も参加する「豚心臓を用いた手術手技研修(Wet Labo)」を定期的に実施し、技術の向上と共有を図っています。

主な診療内容
- 心臓弁膜症 適応に応じてMICS(低侵襲手術)や弁形成術を積極的に行います。心房細動を伴う場合は、合併症を予防する包括的な治療を提供します。
- 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI) カテーテルを用いて人工弁を留置する方法です。開胸を必要とせず、人工心肺を使用しない身体に負担の少ない治療法で、特に高齢の方や、全身状態から通常の外科手術が難しい方にとって有力な選択肢となります。適応については、患者さんごとに慎重に判断しています。

- 虚血性心疾患(冠動脈バイパス術) 人工心肺を使用せず心臓を動かしたまま行う「心拍動下手術(Off-pump CABG)」を第一選択とし、身体への負担軽減と長期の良好な予後を目指します。

- 大動脈疾患 大動脈瘤に対し、カテーテルによる「ステントグラフト治療」から、根治性の高い「人工血管置換術」まで、病態に応じた最適な治療を提案します。


沿革
1972年の胸部外科創設以来、広島の地で50年以上にわたり地域医療を支えてきました。2017年の心臓血管外科としての独立を経て、現在は伝統ある確かな技術と、最先端の低侵襲治療・救急体制を融合させた診療を行っています。
スタッフ紹介

田村 健太郎
心臓血管外科専門医・修練指導者
低侵襲心臓手術認定医
腹部ステントグラフト実施医・指導医
胸部ステントグラフト実施医・指導医

児玉 裕司
弁膜症、不整脈
大動脈瘤、末梢動脈、下肢静脈瘤
ペースメーカ治療
深部静脈血栓症
心臓血管外科専門医
腹部ステントグラフト実施医

森田 翔平
心臓血管外科専門医
日本循環器学会循環器専門医
胸部ステントグラフト指導医
腹部ステントグラフト指導医
経カテーテル的大動脈弁置換術指導医
下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医

山下 真弘
実績紹介
2011年からの14年間での心臓胸部大血管疾患に対する手術は957例でした。内訳として、虚血性心疾患に対する手術(主に冠動脈バイパス手術)が342例、弁膜症の手術が315例でした。また胸部大動脈疾患に対する手術は259例で、うち低侵襲手術であるステントグラフト挿入術を71例に行っています。
同期間での腹部腸骨動脈瘤に対しての手術は327例で、それらのうち適応を厳密に検討した上で、ステントグラフト挿入術を105例に施行しました。また上腸間膜動脈閉塞に対してのバイパス術を含めてその他の腹腔内血管手術を14例に施行しています。
末梢血管疾患については、同期間内の手術総数は691例でした。閉塞性動脈硬化症に対しての手術は286例に施行しており、また急性動脈閉塞に対しての血栓塞栓除去術を101例に、その他の動脈疾患,静脈疾患に対しての手術を263例に施行しています。
教育・研修活動、施設認定
当院は日本外科学会外科専門医制度修練施設に認定されており、外科専門医をめざす医師の修練を行っています。また心臓血管外科専門医認定機構の基幹施設にもなっており、心臓血管外科専門医をめざす外科専門医の修練を行うなど、若手医師の教育にも力を注いでいます。
科内での週1回の入院患者カンファレンスや、麻酔科・手術室スタッフとの週2回の術前カンファレンスに加え、循環器内科とのカンファレンスを週1回、脳神経内科・脳神経外科もあわせての脳心臓血管センターカンファレンス(バスキュラーボード)を月1回開催しています。
外来診療担当医表
予約のない方 8:30~11:00
心臓血管外科
* 紹介枠がある外来
| 受付 | 診療室 | 区分 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 6 | 午前 | 児玉(裕)* | ペースメーカ 診療* | |||
| 午後 | 森田* | 児玉(裕) | |||||
| 7 | 午前 | 田村* | ペースメーカ チェック | 田村* | |||
| 午後 | 森田 |
