臨床検査部・輸血部
診療科紹介
科の特色
スタッフは医師6名・臨床検査技師51名(内、非常勤6名)で、認定技師の取得は県内トップクラスを維持しています。毎年の外部精度管理調査(日本医師会・日本臨床衛生検査技師会・県医師会主催)では高成績を維持し、ISO15189、精度保証認証施設の認定を取得しています。 臨床検査データの標準化に関し広島県の基幹施設として指導的役割を担っており、高度医療の水準維持のため、常に新しい検査法の導入を行っています。また、日本臓器移植ネットワーク・中国四国HLA検査センターとしての役割を担っています。
主な対象疾患
検体検査部門としては、生化学・免疫血清検査、一般検査、血液検査、細菌(微生物)検査、病理検査(病理組織検査・細胞診検査・剖検)、輸血部門としては輸血検査・HLA関連検査、生体検査部門としては、超音波検査、循環機能検査、呼吸機能検査、神経機能検査、睡眠時無呼吸症候群検査、新生児聴力検査などを行っています。これらの全診療科に対応した臨床検査に加えて各診療科の専門診療に対応した特殊検査を行っています。
主な診療内容
当科は病理診断部門、臨床検査部門、輸血部門を統合して運営されています。業務内容は基幹的総合病院として約250項目の院内検査、1,000項目以上の外部委託検査に対応しています。特に、分子標的治療に対応したコンパニオン診断や感染症の迅速診断など遺伝子診断が充実しており、各診療科の診断・治療に寄与しています。固形腫瘍の遺伝子診断に関しては、EGFR、ALK、 HER2、BRAF、UGT1A1、JAK2の各遺伝子検査を自院で行う体制を有しており、他の遺伝子診断に関する結果を一括管理して情報を蓄積しています(内訳は表参照)。また、がんゲノム医療連携拠点病院として包括的がん遺伝子プロファイル検査など、がんゲノム医療に関する検体管理や精度保証に努めています。
院内の主ながんゲノム検査および分子病理学的検査数(2024年)
| 項目 | 件数 | |
|---|---|---|
| 外部委託 | FoundationOne CDx | 81 |
| FoundationOne Liquid CDx | 2 | |
| OncoGuide NCC オンコパネルシステム | 5 | |
| Guardant360 CDX | 2 | |
| GenMineTOP | 8 | |
| オンコマイン Dx Target Test | 65 | |
| AmoyDx | 48 | |
| BRACAnalysis | 102 | |
| RAS-BRAF | 50 | |
| MSI(免疫チェックポイント阻害剤) | 10 | |
| オンコタイプDX | 35 | |
| PD-L1 | 185 | |
| 膀胱癌FISH(ウロビジョン) | 7 |
| 項目 | 件数 | |
|---|---|---|
| 院内検査 | EGFR | 14 |
| ALK(IHC) | 15 | |
| ALK(FISH) | 0 | |
| HER2(IHC) | 413 | |
| HER2(FISH) | 48 | |
| MMR IHC panel | 195 | |
| UGT1A1 | 74 | |
| JAK2/CALR | 11 | |
| JAK2(exon12) | 4 | |
| MPL1 | 2 |
HLA検査と精度管理について
当科は、(公社)日本臓器移植ネットワーク特定移植検査センターとして24時間365日対応でHLA(Human Leukocyte Antigen)検査を行い、移植医療に貢献しています。HLAとは、ヒト白血球抗原であり、体内で免疫機構の重要な因子として働いています。臓器移植では、自分のHLAのタイプに合わないものはすべて異物と認識され攻撃されてしまいます。そのため、HLAの適合性が重要視され、移植前後の抗HLA抗体の測定結果が移植医療の治療成績に大きく関与することが知られてきました。
抗HLA抗体(スクリーニング検査)の測定に関する精度保障について
当科は、「日本組織適合性学会QCWS(Quality Control Workshop)参考プロトコル」に基づいて検査を実施し、高い検査精度を維持するため日本組織適合性学会QCWSへ毎年参加しています。QCWSの結果は精度保障の基準を満たしています。また、日々の検査精度については、日本組織適合性学会認定組織適合性指導者(認定HLA技術者)が検査および管理を行い、検査の質の保証に努めています。
以上のように、当科のHLA検査は、日本組織適合性学会ならびに日本移植学会等による抗HLA抗体検査の実施に関する指針を遵守しています。
QCWS評価報告(県立広島病院)スタッフ紹介

西阪 隆
(兼)臨床研究検査科・病理診断科主任部長
(兼)ゲノム診療科部長
人体病理学全般,特に肺病理学
日本病理学会分子病理専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医・指導医
日本臨床検査医学会臨床検査専門医
日本臨床検査医学会臨床検査管理医

相方 浩
(兼)臨床研究検査科部長
消化器疾患一般
日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・支部評議員
日本門脈圧亢進症学会 評議員
日本超音波医学会 代議員
日本内科学会総合内科専門医・指導医・支部評議員
日本肝癌研究会 評議員
日本肝がん分子標的治療研究会 世話人
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
臨床研修指導医養成講習会修了
広島大学医学部臨床教授

野間 翠
(兼)ゲノム診療科部長
(兼)臨床研究検査科部長
外科一般
遺伝性腫瘍
乳がん
日本乳癌学会乳腺専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
マンモグラフィー読影認定医(AS)
乳房超音波検査認定医(A)
日本超音波医学会専門医
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医

板倉 希帆
(兼)臨床研究検査科部長
心臓弁膜症
心筋症
日本内科学会認定医
日本超音波学会専門医
日本心エコー図学会認定心エコー図専門医
SHD心エコー図認定医
臨床研修指導医養成講習会修了
実績紹介
- 令和5(2023)年の病理診断の組織診は8,323件、術中迅速診断579件、細胞診は5,377件、剖検は12件でした。
- 他の検体検査部門では、生化学免疫検査2,341,831件、血液検査件879,073件、一般検査82,156件、微生物検査83,583件、生理検査45,090件、輸血検査10,653件を行い、夜間当直検査は総計386,213件でした。
- NST、ICC(院内感染対策委員会)、ICT(院内感染対策チーム)および糖尿病教室にチーム医療として参画しています。また、キャンサーボーをはじめ各種カンファレンス、臨床試験を支援しています。
教育・研修活動
- 日本病理学会、日本臨床細胞学会の研修施設とて認定されています。広島大学大学院医歯薬保健学研究院病理学、分子病理学、口腔病理学教室および広島大学病院病理診断科からのスタッフの研修を受け入れています。また、難解症例に関しては専門領域の病理医と連携し、検討会を開催しています。
- 延べ64の認定資格を有する技師がおり、県内外の大学からの臨床検査技師実習生を受け入れて研修を行っています。