褥瘡対策チーム
褥瘡対策チームについて
褥瘡(じょくそう)とは
「床ずれ」とも呼ばれ、寝返りがうてない状態や車いすなどで長時間過ごすことにより、接触する部分の皮膚の血流が悪くなり、皮膚にキズができてしまうことをいいます。
褥瘡対策チームとは
院内の多職種が連携して、ベッド上での生活を余儀なくされた方や皮膚にダメージを受けやすくなっている方に対し、キズを作らないよう褥瘡対策に取り組んでおります。
褥瘡対策チームメンバー
チームの活動内容
褥瘡回診
■褥瘡チーム回診:毎週水曜日
他職種による褥瘡のある方に対する回診です。

■褥瘡管理者WOC(認定看護師)回診:週1回
褥瘡のできやすい方、褥瘡のある方の回診です。

褥瘡予防・治療に関する会議
月1~2回程度開催
褥瘡対策チームメンバーが集まり、毎月の院内発生状況の報告や褥瘡対策に関する事項について会議を行っています。
褥瘡院内研修会
褥瘡予防・治療に対する研修を行っています。
ポジショニング体験の風景

体圧分散マットレス管理
患者様の状態に応じたマットが選択できるよう褥瘡発生危険レベル評価を行い、425台の体圧分散マットレスを整備しています。
- 自動体位変換機能付高機能エアマットレス 13台
- 高機能エアマットレス 73台
- 静止型体圧分散マットレス 339台
活動の実績

平成24年度より、持続する発赤や医療機器による創傷に関しても報告し、早期対応に取り組んでいます。
9割近くは浅い褥瘡で発見され、悪化に至るケースは減少しています。褥瘡発生率は1.0%以下に止めており、全国平均(1.31%)を下回っています。
褥瘡Q&A
質問をクリックすると回答が表示されます。
- 褥瘡はどうしてできるのか?(発生機序)
同じ部分に外力が加わることでその部分の血流が阻害され、褥瘡はできます。
外力には、皮膚表面にかかる力(持続した圧力:圧迫、摩擦、ずれ)と身体内部へかかる力(圧縮応力、せん断応力、引っ張り応力)があり、特に骨の周囲に強い力が加わりやすくなります。皮膚表面にかかる力
圧力

ずれ

摩擦

ずれや摩擦が生じやすい場面
- ベッドの背上げや仰臥位に姿勢を戻す時
- 体位変換や移動時、おむつ交換時
- 長時間の車いすや椅子上による姿勢の崩れ
身体内部にかかる力


- 褥瘡ができやすい人とは?
以下の項目に1つでも該当される人は注意が必要です。
- 1日のほとんどをベッドや布団、椅子や車いす上で過ごし、自分で姿勢を変えることが難しい人(要注意)
- 食事が十分に取れない状態が続いている人
- やせて骨がでている人
- 関節が固まり動きが困難な人
- 尿や便の失禁がある人
- 皮膚が脆くなっている人
・高齢者
・皮膚が薄くなっている
・乾燥している
・むくみがある
・排泄物や汗で皮膚がふやけている
・抗癌剤やステロイド剤などの副作用で免疫力が低くなっている
- 褥瘡はどこにできやすいか?
骨が突出していてマットや布団、車いすなどで圧迫されているところにできやすくなります。
仰臥位で過ごされる人

横向きで過ごされる人

座っている姿勢で過ごされる人

ただし、脂肪の多い方でも長時間皮膚が圧迫されていると褥瘡ができることがあります。
また関節の変形がある方や医療機器(酸素チューブや胃管チューブなど)をつけられている方は、接触しやすい部分に傷ができてしまう可能性があります。おむつ交換や着替え、入浴の時に皮膚が赤くなっていないか観察をしましょう。
※時間がたつと赤みが消える場合は、褥瘡ではありません。赤みが消えない場合は、医師や看護師に相談しましょう。
- 褥瘡ができないようにするには?(予防)
①外力を除去する ②皮膚を清潔にする ③栄養補給の3つが大切です。
①皮膚にかかる外力を除去する
長時間の同一姿勢にならないように身体の向きや姿勢を変えましょう。
楽な姿勢を保つためにクッション(なければ枕や布団を代用)などを活用する方法もあります。
もし、痛みや呼吸困難のため身体の向きが変えられない場合は、医師や看護師に相談しましょう。
※やせている方や身体の向きが自由に変えられない方は『体圧分散マットレス』を活用しましょう。


『体圧分散マットレス』とは、身体の形状に沿って沈みこむマットレスです。
マットレスと身体の接触面積を広くし、身体にかかる圧力を分散できます。
エアやウレタン、ゲルなどの材質があり、継時的にエアセルの内圧が変化するもの(圧切替)や
除湿機能が備わったものなど様々な種類があります。- ※身体にあった体圧分散マットレスやクッションを選択しないと、関節拘縮や疲労感など身体へ悪影響を及ぼすこともあります。医師や看護師、ケアマネージャーなどと相談し、状態にあったものを選択しましょう。
- ※円座は接触している部分の皮膚の血流が悪くなるため使用は避けましょう。
②皮膚を清潔にする
加齢や栄養不足、治療によって皮膚が健康な状態を保てなくなっています。そのため外力などの刺激を受けやすく、皮膚障害が起こりやすくなります。
- 入浴やシャワー浴、清拭を行い、皮膚をきれいにしましょう。
ゴシゴシ洗うのではなく、泡をしっかり立て優しくなでるように洗いましょう。
※ナイロンタオルは摩擦がかかりやすく、乾燥や黒皮症といって、肌が色素沈着を起こす原因となるため使用を控えましょう。
※熱いお湯は皮膚に負担がかかるだけでなく、乾燥の原因となりますので避けましょう。 - 保湿を行う
入浴後は乾燥しやすくなります。加齢とともに皮膚の水分保持機能が低下していますので、必ず保湿剤を塗りましょう。自分で身体を動かせない方は乾燥している部分だけでなく、皮膚が接触する部分や骨が突出している部分に複数回塗布し、皮膚を保護しておきましょう。
保湿剤の塗布の仕方

1FTU(Finger Tip Unit)
人差し指の先から第一関節まで=0.5g
両手手のひらの面積相当 - 尿や便などの排泄物は、長時間付いたままにならないようにしましょう。
- 排泄物の状態や量を考慮して、皮膚への逆戻りや横漏れを起こさないよう、正しいおむつの種類やサイズを選択しましょう。
- 失禁が続く場合は、撥水性のクリームやオイルを塗って排泄物の刺激から皮膚を保護しておきましょう。
③栄養補給
褥瘡予防・治療にはタンパク質、ビタミン、ミネラルが大切です。
食事が取れない方は医師や看護師、栄養士に相談しましょう。
褥瘡部の処置方法
準備するもの
- 洗浄用ボトル
- 38℃程度の微温湯または生理食塩水
- 弱酸性の清浄剤
- ディスポ手袋、エプロン
- 拭き取り用ガーゼ
- 外用薬
- ドレッシング剤またはガーゼ
- 固定テープ
- 創評価のためのカメラ
- メジャー

手順1
褥瘡ケアの基本は洗浄です。
お湯の温度はひと肌程度に温めましょう。冷たすぎると血管が収縮し、創面の血流を阻害します。また、熱すぎると組織を損傷させてしまい、傷の治りが悪くなることがあります。
褥瘡の周囲の皮膚は脆くなっているため、低刺激で肌と同じpHである弱酸性洗浄剤の使用をおすすめします。
手順2
洗浄剤をいきなりつけるのではなく、まずはお湯をかけて皮膚をなじませましょう。
創周囲には浸出液だけでなく、薬剤やテープなどの粘着剤、排泄物や汗などの汚れがついています。創周囲の皮膚を洗浄することで、創内の細菌数を減少させることができます。
皮膚の汚れを微温湯で流す。

手順3
しっかり泡立てた洗浄剤で擦らないように指の腹を使って、創周囲の皮膚をやさしく洗いましょう。
弾力性のある泡は洗い落ち・すすぎ落ちがよくなります。クッション効果があるので、摩擦をかけずに洗うことができます。最近は弱酸性で泡タイプの商品が販売されていますので、効率的に行いたい場合におすすめします。
創周囲に泡をのせ、やさしく洗う。


手順4
壊死(死んだ組織)やポケットがある場合は、創内も洗浄して構いません。薬剤や汚水がポケット内に残ると感染の原因となりますので、しっかり洗浄しましょう。
良性肉芽(牛肉色の組織)の場合は、無理に擦ってしまうと組織を損傷させ、出血を起こしたり治癒を阻害させてしまうので注意しましょう。
壊死組織やポケットがある場合、適度な水圧をかけながら洗浄する。


手順5
石けん成分が皮膚に残ると、新たな皮膚障害を起こしやすくなります。十分なお湯でしっかり洗い流しましょう。
十分な量の微温湯で洗い流す。


手順6
皮膚に水気が残らないように拭き取りましょう。その時、擦らないように優しく押し拭きしましょう。
特に臀部など二面が接触する部分は、蒸れやすいため忘れずに拭き取りましょう。
水分を押さえて拭き取る。


薬剤を使われている方
創の大きさに合わせて十分な厚さの量をつけましょう。なるべく創周囲の皮膚にはつけないように注意しましょう。
軟膏をつけたあとはガーゼやパッドをあてます。ずれやすい場合や排泄物が傷につきやすい場合はテープで固定しておきましょう。
外用剤の付け方
- 創面の大きさに応じて適量を塗布する。
- ガーゼなどにのばして貼付するか、または患部に直接塗布する。
- 創面を覆うのに必要なかつ十分な厚さ(約2~3mm)に直接に塗布する。
または、ガーゼに同様の厚さにのばし貼付する。 - 細胞毒性のある外用剤は健常皮膚につかないように注意する。

- 滲出液をコントロール
- 創を乾燥させない
ドレッシング材を使われている方
創周囲2~3cm覆う大きさにカットして貼付してください。貼付した日付をかいておくと交換日を忘れずにすみます。
ゲルがあふれる前に交換し、1週間以上は貼らないようにしましょう。
ずれたり汚染などあれば交換しましょう。
ずれやすい場合や排泄物が傷につきやすい場合はテープで固定しておきましょう。
ドレッシング剤の貼り方
- サイズ
創周囲に健常部を2~3cm覆う大きさが必要。 - 交換時期
ゲルが漏れる前に交換する。滲出液が少なければ交換頻度を伸ばしても良いが、7日以上は連用しない。















