生殖医療科
診療科紹介
科の特色
生殖医療はチームで行います。
それぞれ専門の分野を担当しますが、スタッフ全員が、同じ考え方にもとづいて治療を行いますので、誰にでも遠慮なく声をかけてください。

平成21(2009)年度に開設された成育医療センターの一部門として、平成19(2007)年9月18日、生殖医療科は誕生しました。
生殖医療科が科として独立しているのは全国的にも珍しく、聞き慣れない名称かもしれませんが、不妊症の夫婦の診療を主として行ってます。他にも、妊娠は成立するが流産や死産を繰り返す不育症夫婦や、未婚でも生殖可能年齢の女性の内分泌・月経異常、不妊や不育に関連する妊孕能(妊娠しやすさ)を改善するための手術も行います。
生殖医療科ではこのような方に対し、体外受精・胚移植を中心とした生殖補助医療、不妊症や不育症の原因となっている子宮筋腫、腹腔内癒着、子宮内癒着、子宮奇形などに対する内視鏡下手術と着床前診断も含めた生殖遺伝学を3本柱として診療を行っています。特に平成30(2018)年12月には、当科は日本産科婦人科学会から着床前診断実施施設として認められました。これまでに、夫婦のいずれかが均衡型相互転座をもつ不育症夫婦に対して着床前診断を行い、正常な染色体をもった胚を移植することにより妊娠され、自然流産することなく妊娠の維持が可能となり、令和2(2020)年8月に無事出産されました。令和2(2020)年からは体外受精・胚移植を行っても繰り返し着床しない方、妊娠しても自然流産を繰り返す方、自然流産歴はなくてもご夫婦のいずれかに染色体の変異をもつ方に対する着床前診断を開始し、2022年1月までに114例の方に実施し、すでに31例の方に胚移植を行い61%(19/31)という高い挙児獲得率を得ています。2023年は、単一遺伝子疾患に対する着床前診断(PGT-M)にも診療範囲を拡げました。
また、若年性悪性腫瘍の方の妊孕能温存(精子凍結、卵子凍結、受精卵凍結、卵巣組織凍結)にも、各疾患主治医の先生の許可のもと、院内および地域の他施設と連携をとりながら、積極的に取り組んでいます。
診療内容
外来は、月曜日から金曜日まで行っています。外来は、初診時も含め、全て予約制(082-256-3559にまずお電話ください)にしております。体外受精・胚移植はいつでも対応が可能な体制を整えており、手術は金曜日の午後に行っています。
スタッフ紹介
医師

兒玉 尚志
(兼)成育医療センター産婦人科部長
(兼)ゲノム診療科部長
体外受精・胚移植
婦人科内視鏡
日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本生殖医学会生殖医療専門医・指導医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
母体保護法指定医
広島大学医学部臨床教授
広島大学大学院医系科学研究科客員教授
ダヴィンチサージカルシステム術者認定資格

賴 英美
体外受精・胚移植
不妊治療
産科治療
日本生殖医学会生殖医療専門医
日本周産期・新生児医学会周産期(母体・胎児)専門医
母体保護法指定

関根 仁樹
婦人科内視鏡
日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医
日本女性ヘルスケア学会女性ヘルスケア専門医・指導医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡・ロボット)
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医(産科・婦人科)
日本婦人科ロボット手術学会認定婦人科ロボット支援手術プロクター
日本ロボット外科学会国内B級ライセンス

原 鐵晃
日本生殖医学会生殖医療専門医・指導医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医
母体保護法指定医
広島大学大学院医系科学研究科客員教授
胚培養士

畑 景子
医療技術専門員
(最大手不妊治療クリニックにてガラス化凍結保存の研究開発に従事)
生殖補助医療胚培養士資格取得

渡邉 陽子
主任
(ホルモン動態に関する研究に従事)
生殖補助医療胚培養士資格取得

三浦 貴弘
主任技師
(マウスとサルの顕微授精研究に従事)
生殖補助医療胚培養士資格取得
実績紹介
開設から10年余を経て、年間300~400件の体外受精・胚移植と約100件の生殖外科手術を行っています。妊孕能温存(精子凍結、卵子凍結、受精卵凍結、卵巣組織凍結)は年間20~30件行っており、徐々にですが適応症例が増えています。
生殖外科手術の大部分は内視鏡下手術です。自然流産や不育症に関する遺伝カウンセリングは年間50件程度行っています。着床前診断は、55例に行い、47%の臨床妊娠率です。
教育・研修活動、認定施設
平成23(2011)年4月から日本生殖医学会の認定研修施設に、平成26(2014)年1月からは日本産婦人科内視鏡学会認定研修施設に認められ、今後は、日本生殖医学会の生殖医療専門医や日本産科婦人科内視鏡境学会の技術認定医の資格取得を目指す若い医師の教育に力を注いでいきます。
高度生殖補助医療(ラボ)
ラボとは、生殖医療科では主に体外受精を行う場所のことをいいます。当施設のラボは、世界でもトップクラスの極めて清潔な環境を達成したクリーンルーム設備(クラス100)で、精液検査、精液処理、体外受精(顕微授精)、受精卵凍結など全ての高度生殖補助医療を行う事ができます。高清浄度クリーンルームのラボでは、胚培養士がクリーンスーツを着用し、最先端機器を駆使しながら安全かつ確実な高度医療を実施します。




培養室(ラボ・クリーンルーム)


最新型のタイムラプス培養器を導入しています。受精卵の育つ様子を、受精卵を取り出さずに観察することができ、動的形態パラメータを解析することができます。

最新の無加湿型個別培養器を導入しています。患者さんごとに、異なるチャンバー内で、受精卵を安全に長期間培養することができます。
凍結保管庫(クリーンルーム)
-196℃の液体窒素の中で、精子・卵子・受精卵・卵巣を保存しています。
国内でもっとも大きい凍結保管庫を使用し、24時間の安全性監視システムにより大切に保存しています。

蒸発分の液体窒素は自動供給されます。

液体窒素が充填されています

ダブルチェックを行います。

クリーンルーム内に保管しています。
当施設では、がん患者さんの妊孕性温存治療を積極的に行っており、がん治療(抗がん剤治療など)前に、精子、卵子、受精卵、卵巣組織を凍結保存しております。数十年もの長期の保存期間中、安全にお預かりすることができます。
医療安全・取違い防止システム
当院は、国内で最も早くバーコードを使用した医療安全システムを導入した施設の一つです。
バーコードシステムおよびヒトによる確認のダブルチェック体制で、高い医療安全性かつ取違い防止を実施しています。
また、患者さんからお預かりした凍結精子・卵子・受精卵・卵巣についても、バーコードによる入庫数や保管場所の管理を徹底しています。

妻(女性)バーコード


夫婦関係を確認してから体外受精を行います。
胚培養士の紹介
胚培養士(エンブリオロジスト)は、体外受精をはじめとする高度生殖補助医療を実施する技術者です。私たちは,公立病院としては、全国で初めての専任胚培養士として採用されました。
専門的なトレーニングを経て、生殖補助医療胚培養士資格を取得しています。
主に、ラボで体外受精(顕微授精)、受精卵培養、受精卵凍結などの高度生殖補助医療を提供します。
患者さんには、体外受精の詳しい説明を体外受精セミナーで行ったり、胚移植前には移植する受精卵(胚)の説明を個別に行っています。日々、技術鍛錬を行い、患者さんからお預かりした大切な受精卵のお世話に努めています。また、臨床研究成果は、学会や論文で積極的に発表しています。

畑 景子
胚培養士
医療技術専門員
(最大手不妊治療クリニックにてガラス化凍結保存の研究開発に従事)
生殖補助医療胚培養士資格取得

渡邉 陽子
胚培養士
主任
(ホルモン動態に関する研究に従事)
生殖補助医療胚培養士資格取得

三浦 貴弘
胚培養士
主任技師
(マウスとサルの顕微授精研究に従事)
生殖補助医療胚培養士資格取得
外来診療担当医表
予約のない方 8:30~11:15
生殖医療科
* 紹介枠がある外来
| 受付 | 診察室 | 区分 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 中央棟3階 予約制 | 4 | 午前 | 児玉 | 児玉* | 関根/児玉 | 児玉* | 児玉/関根 |
| 午後 | 児玉 | 原 | 児玉/関根 | 手術 | |||
| 7 | 午前 | 関根* | 頼 | 頼* | 頼 | 頼 | |
| 午後 | 関根 | 頼 | 頼 | 手術 |