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膀胱ろう造設術

膀胱ろうとは何ですか?

膀胱ろうとは、尿を出すための管(膀胱ろうカテーテル)を恥骨の上の腹壁から直接、膀胱内に留置する尿路管理法のことです。

膀胱ろう(男性)
膀胱ろう(女性)

膀胱ろうの適応は?

何らかの原因(前立腺肥大症、神経因性膀胱、腫瘍、尿道外傷、炎症、手術など)で尿道が閉塞、狭窄、断裂したり、膀胱の収縮力がなくなったりすると、尿を出すことができない状態(尿閉、残尿)になります。

通常、尿道から尿を出すための管(尿道カテーテル)を留置します。しかし、それが難しい場合(尿道狭窄や尿道断裂、尿道カテーテル交換困難、膀胱タンポナーデ)や長期間にわたり管の留置が必要となる場合、膀胱ろうを造設して尿を出すための管(膀胱ろうカテーテル)を恥骨の上の腹壁から直接、膀胱内に挿入する本検査・治療の適応となります。

膀胱ろうと尿道留置カテーテルの違いは?

膀胱ろう(左:男性、右:女性)
  • 日常の管の違和感が少ない
  • 管の交換時の疼痛が少ない
  • 太い管が挿入可能で、閉塞しにくい
  • 仰臥位で可能で、陰部を晒さない
  • 精巣上体炎や尿道損傷、尿道狭窄
  • 外尿道口の裂傷などの合併症が少ない(男性)
尿道留置カテーテル(左:男性、右:女性)
  • 管の挿入には泌尿器科手術が必要
  • 管の交換には泌尿器科受診が必要

膀胱ろう造設の方法は?

  • 本検査・治療は、通常は局所麻酔か全身麻酔で行います。全身麻酔の場合、麻酔科の麻酔担当医に依頼します。術前に麻酔科受診をしていただきますので、詳細は麻酔担当医にお尋ねください。
  • 本検査・治療は腹部超音波(エコー)が使用できる病棟や外来のベッドサイドで、またはレントゲンの使用できる透視室で行います。全身麻酔で行う場合、手術室で行います。
  • ベッドの上に仰向けに寝た姿勢(仰臥位)で、恥骨の1~2cm上の腹壁から腹部超音波(エコー)で膀胱を確認し、腹壁から直接、細い針を膀胱へ刺し、尿を出すための管(膀胱ろうカテーテル)を膀胱内に留置します。
  • 針を膀胱へ刺す時、体や膀胱が動かないように息を止めてもらいます。
  • 留置する管(カテーテル)の太さや体型、難易度により手術時間は異なりますが、約30~60分です。

膀胱ろう造設術の合併症は?

  • 腸管損傷;膀胱周囲には腸管が存在し、腸管を誤穿刺することがあります。糞便や尿がおなかの中に漏れると非常に危険で、腹痛、腹部膨満感、嘔気、腸閉塞、高熱などの症状が出現し、生死に関わります。頻度は低いですが、可能性はゼロではありません。万が一、穿孔した場合、最悪の事態になることもあります。緊急開腹手術や人工肛門を造設することがあります。穿孔などが起こりそうな場合、無理せず検査を終了しますのでご了承ください。
  • 出血、肉眼的血尿;膀胱に針を刺すため、膀胱からの出血や血尿、血塊の流出はすべての方にみられます。通常は問題ありませんが、程度が強い場合は輸血や追加の処置が必要になることがあります。また、血塊が大きくなって管が詰まることがあり(膀胱タンポナーデ)、血塊除去を行うことがあります。
  • 他臓器損傷(腸管、前立腺、膀胱、腸管、子宮など)
  • 尿路感染症、創部感染症
  • 膀胱刺激症状;術後に尿失禁、残尿感、排尿痛などの症状がでることがあります。大半は時間とともに膀胱の刺激が減り、症状は改善していきますが、時間がかかったり、治療が必要なこともあります。
  • 血栓症(肺梗塞症、深部静脈血栓症、心筋梗塞、脳梗塞など)
  • その他、麻酔や体位に係る合併症や薬アレルギー、非常にまれですが命に関わることも起こりえます。

膀胱ろう造設術の術後早期の注意点は?

  • 入浴や通常の家事、自動車の乗車、歩行などの軽い動作や行動は問題ありません。飲酒やジョギング、ゴルフなど激しい運動や、5Kg以上の重いものをもつなどの腹圧がかかる動作や行動は避けましょう。
  • 水分の多めの摂取は、感染症予防や血尿回避になります。通常よりコップ3~4杯は多く飲みましょう。
  • 肉眼的血尿や穿刺部の痛みが1~2週間、長い場合は2~3週間続くことがあります。概して徐々によくなりますのでご心配されないようにしてください。尿が赤い以外の症状がない場合、水分を多めに取り、経過観察することをお勧めします。また、一度消失した肉眼的血尿が、再度、出現することもよくあります。
  • 38度以上の発熱、血の塊(凝血塊)や排尿困難を伴うような重篤な肉眼的血尿が続く、管が抜けた場合、速やかにご連絡ください。必要に応じて抗菌薬や止血剤の点滴や特殊処置、入院が必要となることがあります。

膀胱ろう造設術後の生活での注意点は?

  • 尿は蓄尿袋に溜まります。適宜、トイレなどで排出させてください。
  • 管は屈曲させず、蓄尿袋は膀胱より低い位置に置いてください。
  • 管が抜けた場合、速やかに病院へご連絡ください。交換や再留置が必要のことがあります。
  • 管は定期的交換しますので、必ず受診してください(転院時などでも、紹介状を作成しますので、必ずご連絡ください)。

紫色採尿バック症候群(purple urine bag syndrome)とは?

  • 蓄尿袋や管が紫色に変色する現象のことです。
  • 尿中のインジカンが細菌により色素(インジゴ青と赤)になり、その色素が蓄尿袋や管を染めるために生じます。
  • 長期留置している患者に高頻度にみられます。
  • 尿路感染や便秘、内服薬などにが原因となります。
  • 尿路管理上の問題となることはなく、治療は不要です。
  • しかし、便秘などは適切に治療しましょう。

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