糖尿病チーム
糖尿病について
糖尿病はインスリンというホルモンの作用不足が原因で、高血糖が慢性に持続する病気です。最近の厚生労働省の調査によると、糖尿病が強く疑われる人は全国に950万人いると推定されており、その数は年々増加しています。糖尿病は初期には自覚症状に乏しいため、治療せずに放置すると慢性の高血糖が長期間持続します。慢性の高血糖が長期間持続すると血管が傷み、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症が起こってきます。
糖尿病の合併症を予防するために、県立広島病院では2週間の糖尿病教育入院を行っています。糖尿病教育入院の期間中に糖尿病について学習するとともに、自己管理に必要な技術を習得していただいています。県立広島病院の「糖尿病チーム」は糖尿病教育入院の患者さんを対象として療養生活に必要な様々な援助を行っています。平成25年度に県立広島病院に糖尿病教育入院した患者さんは288名でした。
糖尿病チームとは
「糖尿病チーム」は医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、検査技師、歯科衛生士から構成されています。
食事療法は軽視されがちですが、一番効果があり、またほかの治療法の効果を助ける、最も重要な治療法です。個々の患者さんに合ったエネルギー量にすることと、栄養のバランスのとれた食事に切り替えることが必要です。管理栄養士は患者さんの入院前の食事の問題点を明らかにし、退院後はどういう食事に変更すればよいか具体的に教えてくれます。
糖尿病の薬物療法には経口血糖降下薬とインスリン注射とGLP-1受容体作動薬があります。経口血糖降下薬は現在7種類の薬効が異なる薬剤が使用されています。インスリンは超速効型、速効型、混合型、中間型、持効型と作用時間の長さによって5種類の製剤が使用されています。GLP-1受容体作動薬も4種類の製剤が使用されています。さらに、作用機序の異なる経口血糖降下薬を併用する場合や経口血糖降下薬とインスリン注射を併用する場合もあります。このように、糖尿病の薬物療法は多様化し、複雑となってきています。薬物療法は正しい使い方をして、初めて十分な効果を発揮します。薬剤師は薬物療法が十分な効果を発揮するよう服薬指導を行います。
インスリン注射が必要な患者さんに対しては、看護師がインスリン自己注射指導を行います。血糖自己測定を希望する患者さんに対しては、看護師が血糖自己測定指導を行います。糖尿病壊疽から下肢切断となる患者さんが増加してきています。下肢切断を予防するために、看護師がフットケア(足の手入れ)を行っています。

入院中に血液検査や尿検査を行い、糖尿病の状態について検査を行います。また、糖尿病の合併症があるかないか、もしあればどの程度であるのかについて、血液検査や尿検査を行って検査します。入院中に多くの検査を行いますが、それぞれの検査の意義と解釈の方法について検査技師が説明します。
虫歯や歯周病を放置すると、糖尿病そのものに悪い影響を与えてしまい、血糖コントロールが悪くなって、さらに虫歯や歯周病が進行してしまいます。反対に血糖をよくコントロールし、適切に歯を治療すれば、双方に好影響を与える相乗効果を生み出します。歯科衛生士は口の中を健康にするため、様々なアドバイスをしてくれます。
医師は検査結果を総合的に判断して、個々の患者さんに一番適した治療方針を決定します。糖尿病網膜症が認められた場合は、眼科と連携しながら、糖尿病網膜症の治療を進めていきます。虚血性心疾患、脳梗塞、糖尿病腎症を合併している場合も、循環器内科、脳神経内科、腎臓内科と連携をとりながら、合併症の診療を進めていきます。連続グルコースモニタリング装置を使用することで、24時間の血糖プロファイルの詳細が把握できることが明らかとなりました。当科では連続グルコースモニタリング装置を糖尿病教育入院の患者さんに装着していただいています。血糖変動の詳細分析は、適切な治療方針決定に役立っています。
糖尿病の診断・治療は日々進歩しています。糖尿病チームは最新の医療技術を適切なタイミングで糖尿病教育入院の患者さんに提供していきたいと考えています。