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ラトケ嚢胞

ラトケ嚢胞とは

ラトケ嚢胞とは脳下垂体にできる袋状のできものです。この下垂体には様々な腫瘍が発生することがあります。かたまりとしてできるものと袋状になってできるものがあり、ラトケ嚢胞は袋状のできものの代表です。

ラトケ嚢胞とは脳下垂体に生じた粘液を含んだ嚢胞です。

下垂体の中のラトケ裂という部分に生まれつきみんな持っている細胞ですがほとんどの方は生まれてくるまでに退化して袋になりません。

たまたま袋になって膜から粘液が産生されてふくらみます。

多くの場合、どんどん大きくなる腫瘍ではありません。

おなじように袋を作る腫瘍に頭蓋咽頭腫という腫瘍があります。

頭蓋咽頭腫はラトケ嚢胞と発生の細胞は同じと考えられていますが、腫瘍としての性格が強く、放置すればどんどん大きくなっていき、脳を圧迫して意識障害が生じたり、生命の危機が生じます。

ラトケ嚢胞による症状は?

ラトケ嚢胞による症状には
  • 頭痛
  • 視力障害、視野障害
  • 下垂体ホルモン分泌低下 などがあります。

袋が大きくなると下垂体の上にある視神経(物を見るための神経)を圧迫して目がみえなくなります。

また、袋が正常下垂体を圧迫したり、袋の中の粘液が下垂体に炎症をおこして下垂体ホルモン分泌が低下することがあります。

下垂体ホルモン分泌が低下すると
  • 体がだるい
  • 寒がりになる。むくむ。
  • 尿量が多くなり非常にのどが渇く、トイレに行く回数が多くなる。
  • 月経(生理)がなくなる。 などの症状が生じます。

袋の中の粘液が脳のまわりに漏れるとその炎症により強い頭痛が生じることがあります。繰り返し頭痛がおこる原因となることがあります。

治療の必要がありますか?

ラトケ嚢胞は視力視野障害があるとき、下垂体ホルモン異常があるときには絶対に手術が必要です。

頭痛のみの場合はこれが頭痛の原因でないこともあるので、手術しても改善するとは限らず、絶対手術が必要とは言えませんが、頭痛の原因となることもあるため繰り返す頭痛がある場合は手術を行うと改善することがあります。

治療の方法は?

手術しかありません。

経鼻的手術を行います。

鼻の穴から手術します。

袋ごと摘出すればもちろん再発はありませんが、嚢胞壁が正常下垂体に強く癒着していることが多く、袋ごと摘出すると下垂体機能障害が生じてホルモン補充療法が必要となります。このため、通常は袋の中身を抜くだけです。

手術時間はおよそ2~3時間です。

経鼻的手術についてはこちら

治療の期間は?

手術までに数日間の検査期間が必要です。手術後退院まではおよそ1週間、全部で10日間ほど入院が必要です。

再発はありませんか?

ラトケ嚢胞は良性の嚢胞ですが再増大しやすいという特徴もあります。多くの場合は嚢胞の粘液を抜くだけで再発しませんが、10~20%の方で再発します。

ただ、再発しても再度手術が必要になる方は10%以下です。

偶然見つかった場合も治療が必要ですか?

偶然見つかったラトケ嚢胞の経過をみていくと、その後大きくなって手術が必要になる方は10%程度(10人に1人くらい)です。

半数の方は袋の大きさが変化しません。袋が消失する方が20%程度、大きくなったり小さくなったりを繰り返す方が20%程度です。ですから、偶然見つかって症状がない場合は経過をみてもかまいません。

ただし、袋が大きくなって症状が出たり、袋が大きくならなくても下垂体ホルモン分泌が悪くなることがあります。また、頭蓋咽頭腫というラトケ嚢胞よりたちの悪い(必ず大きくなって脳を圧迫して命に関わる)腫瘍の初期段階をみている可能性がありますので定期的(6ヵ月~1年毎)な検査が必要です。

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