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プロラクチノーマ

高プロラクチン血症について

月経不順(生理不順)の原因には
  • 視床下部あるいは脳下垂体の異常
  • 女性器官(卵巣や子宮)の異常があります。
視床下部あるいは脳下垂体の異常による月経不順の原因には
  • 脳下垂体からの性腺刺激ホルモンの分泌低下
  • 脳下垂体からのプロラクチンが分泌されすぎるためによる性腺ホルモンの抑制が考えられます。

高プロラクチン血症の原因

高プロラクチン血症の原因には大きく分けて3つあります。

1)薬の副作用が原因になるもの

睡眠薬精神安定剤胃薬などの薬の副作用でプロラクチンが高くなることがあります。薬をやめればもとにもどります。

2)下垂体の腫瘍が原因になるもの

下垂体にできる腫瘍によって正常の下垂体が圧迫されてプロラクチンが高くなることがあります。

下垂体にできる腫瘍(プロラクチノーマ)がプロラクチンを分泌するためにプロラクチンが高くなることがあります。

プロラクチノーマは20代女性によくみられる下垂体腫瘍です。ほとんどの場合、良性腫瘍ですがこの腫瘍からプロラクチンが産生されるために高プロラクチン血症が生じます。

3)原因がはっきりしないもの

薬や腫瘍が原因でないのにプロラクチンが高くなることがあります。

プロラクチンは脳から分泌されるドーパミンという脳内ホルモンが下垂体にブレーキをかけることで下垂体からの分泌が調節されています。なんらかの理由でこのドーパミンによるブレーキがうまくかからないとプロラクチンが高くなります。

プロラクチノーマの治療法

プロラクチンを低下させる薬があります。この薬はドーパミンの作用を強める薬です。

現在最もよく使われているのはカバサール®という薬です。パーキンソン病でも使われる薬です。週に1回~2回内服します。

以前からある同様の薬にテルロンという薬がありますがこの薬は毎日飲まなければいけません。

薬の副作用には便秘、吐き気、めまい、気分不良、いらいらする、不眠 などがあります。

大量に長期間飲んだ場合(パーキンソン病の治療の時など)、心臓弁膜症が生じるという報告があります。

1)薬が原因の場合

薬をやめると治ります。薬をやめられない場合は上記のカバサールという薬を内服すれば治りますが結果的に薬の効きが悪くなります。

2)原因がはっきりしないものの場合

カバサールを内服するとプロラクチンは下がります。少量でも効果があります。内服を中止すると再発することがあります。

3)下垂体の腫瘍が原因の場合

腫瘍がプロラクチンを産生しない腫瘍の場合には手術で腫瘍を摘出すると多くの場合治ります。

プロラクチンを産生する腫瘍(プロラクチノーマ)の場合には2つの治療法があります。

A)薬物療法

カバサールを内服します。この薬にはプロラクチンを低下させる作用だけでなく、腫瘍を小さくさせる作用があります。薬を飲んでいる間はプロラクチンが正常化しますが薬をやめると再びプロラクチンが上昇します。カバサールの場合、長期間(最低2年以上、多くは3~5年)服用することにより薬をやめてもプロラクチンが上昇しなくなる(治る)ことがあります。薬に抵抗性の腫瘍は10~15%程度存在します。薬を内服すると腫瘍は小さくなりますが線維化といって堅くなる性質もあり、長期間薬物療法を行った後では手術が困難になることがあります。はじめから手術を受けるつもりであれば薬物療法は行わない方がよいです。薬の効きを良くするために手術を行うこともあります。

B)手術療法

手術により腫瘍を取り去ります。利点は一度の治療で完治可能なことです。また、完治できないときでも薬物療法の薬物量を減らすことができます。薬剤抵抗性の腫瘍にはこの方法しかありません。

手術の方法は経鼻的手術です。

術前検査を外来でおこなっておけば、入院期間は術前3~4日間、術後1週間であわせて約10日間です。

手術療法によるホルモン正常化率は腫瘍がMRIにてはっきり判別できて小さく、周りの組織(海綿静脈洞)にしみこんでいない場合には約95%です。

手術によって、下垂体ホルモンのうち性ホルモンの分泌障害が起こって、たとえプロラクチンの値が正常になっても、月経が回復しない可能性は1%です。

手術後数年して再発することがあります。

〔手術の危険性〕

  • 重篤な合併症が生じる危険性は1%以下です。
  • 軽微な合併症が生じる危険性は1~2%程度です。

〔経蝶形骨洞手術の方法〕

詳しい手術方法はこちら

鼻の中を通って蝶形骨洞という鼻の空洞をとおり腫瘍に到達します。腫瘍を摘出します。

下垂体の底の骨をもとどおりにして手術を終了します。

傷は外からは見えません。顔が腫れることもありません。

そのほかには放射線療法がありますが通常は手術療法や薬物療法が行えない場合コントロールできない場合に行う治療法です。

薬物療法と手術療法の比較

薬物療法手術療法
利点手術が不要。
手術の危険性を負う必要がない。
内服中の効果(正常化)は85%以上。
一度の治療で治癒が可能。
治癒すれば薬を飲み続ける必要がない。
妊娠時の薬の副作用の不安がない。
効果(正常化)は95%。
欠点治癒率は30~40%。薬が良く効く場合は80%。その場合でも4~5年薬を飲み続ける必要がある。
治癒しない場合は内服期間は通常閉経年齢まで内服し続ける。
副作用(便秘、めまい、はきけ、ふらつき、貧血、皮膚炎)が生じることがある。
一度とはいえ手術の危険性を負う必要がある。
一度正常化したあと再発(プロラクチンの再上昇)することがある。
適応手術で治癒が望めない場合、手術の危険性が高いと判断される場合。
手術を受けたくない場合。
薬が効きにくい場合。副作用等により薬物治療が困難な場合。
薬を飲みたくない場合。
腫瘍の大きさ、場所から判断して摘出して治癒が可能な場合。

難病指定について

この病気は国の難病に指定されています。

必要な検査を行い、書類をお住まいの地区の保健センターあるいは保健所に提出すると国の審査を経て3ヵ月程度で認定証が届きます。

ご家庭の収入に応じて程度が異なりますが治療費の補助があります。

治療費の補助は書類を提出した日以降の医療費について適応されます。提出日以前の医療費には適応されません。毎年9月末に書類を提出して更新する必要があります。

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