大型および巨大脳動脈瘤に対する脳カテーテル治療
脳動脈瘤とは
脳の動脈の一部がコブ状に膨らんだものを脳動脈瘤と言います。この脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血となります。いったんくも膜下出血となると、治療を行っても亡くなったり後遺症が残る方が多く、医学が進歩した現在でも社会復帰できる方は3人に1人程度と言われています。
最近は脳ドックなどでのMRI検査などにより、破裂せず、くも膜下出血をきたしていない脳動脈瘤(未破裂脳動脈瘤)が発見される機会が増えてきました。
未破裂脳動脈瘤の年間破裂率は1%と言われますが、形状・大きさ・動脈瘤の場所によって左右され、破裂の危険性が高い未破裂脳動脈瘤もあります。こういった脳動脈瘤が発見された場合、破裂してくも膜下出血が起きないように治療を検討する必要があります。
未破裂脳動脈瘤に対する従来の治療法
未破裂脳動脈瘤の破裂予防の治療は、直達手術による「開頭クリッピング術」と、脳血管内治療(脳のカテーテル治療)による「脳動脈瘤コイル塞栓術」が従来から行われてきました。しかしながら、未破裂脳動脈瘤の中でも大きさが10mmを超える大型および巨大脳動脈瘤は、破裂の危険性が非常に高いものの、治療を行っても根治できず再発するケースが多く、これまで治療困難な脳動脈瘤として位置づけられていました。


フローダイバーターステントによる脳血管内治療
この治療困難な大型および巨大脳動脈瘤に対する新しい治療方法が、フローダイバーターステント(PipelineTM Flex、FRED)による脳血管内治療です。
非常に網目の細かい金属メッシュのステント【図1】を、脳動脈瘤の入り口を覆うように血管の中に留置します。それによって脳動脈瘤内への血液の流入が減ることにより、脳動脈瘤内の血液が血栓化して、脳動脈瘤そのものを縮小させてしまう方法です【図2】。
この治療は2015年から日本でも可能となりました。
【図1】

【図2】フローダイバーターステントによる治療



