リンパ浮腫
リンパ浮腫の治療
リンパ浮腫の治療には大きく2つに分けられ、非手術治療(複合的理学療法) と、手術治療があります。複合的理学療法は弾性包帯やストッキングによる圧迫や用手的リンパドレナージ(マッサージ)、スキンケア、運動療法の4 本柱で構成されています。中でも圧迫が最も重要で、一定の効果が得られますが、効果を維持するためには治療を継続する必要があります。
リンパ浮腫に対する手術治療は、最近の形成外科領域における超微小外科手術の技術と手術器具の進歩によって、従来の外科的治療を上回るリンパ管細静脈吻合術(LVA) が開発されました。しかし、高度な顕微鏡手術の技量を要するため、限られた施設でのみ行われているのが現状です。 リンパ管細静脈吻合術(LVA) は、リンパ浮腫を発生してから日が浅く、リンパ管機能が残っている軽症例では非常に効果が高いことが分かっています。
当院での治療成果
当院では、治療成果を積極的に国際ジャーナルに公表し、そのデータを基に治療法を説明しています。

図は当院の上肢(腕)のリンパ浮腫の治療2年間の経過を示したグラフで、手術を行った患者群(赤)は浮腫が良くなり、手術を行わなかった患者群(青)は徐々に浮腫が悪くなってきていることを示しています。これは、下肢(脚)でも同様の結果が得られました(Shimbo K, Kawamoto H, Koshima I. Conservative treatment versus lymphaticovenular anastomosis for early-stage lower extremity lymphedema. J Vasc Surg Venous Lymphat Disord. 2023;11(6):1231-40.から引用)。

図は当院のリンパ浮腫患者の蜂窩織炎の発症回数の変化を示したグラフで、手術を行った患者群(赤)は大幅な改善が得られ、手術を行わなかった患者群(青)は変化がなかったことを示しています。これは世界中のデータを集めたメタアナリスでも同様の結果を示しており、当院の成績は遜色ありませんでした。
当院では手術治療を行うことで比較的良好な結果が得られていますが、これは手術単独ではなく、必ずストッキングなどの圧迫療法を併用して行っています。圧迫療法などの複合的理学療法だけでは、浮腫が次第に悪化していく可能性がありますが、手術の効果を最大限に発揮するには必要不可欠と考えています。
当院での手術治療
当院では、局所麻酔で約1cmの切開を行い、0.5mm前後のリンパ管と静脈の吻合を2か所、1~1.5時間で行っています。入院日数は上肢(腕)と下肢(脚)、片肢と両肢で異なりますが、数日ぐらいになります。


リンパ管機能が低下している中等症から重症例では治療効果が低くなることがあり、追加で脂肪吸引などによる脂肪組織除去を提案することもあります。その場合、全身麻酔での手術で、1週間程度の入院になります。

リンパ浮腫専門外来
当院では、専門のセラピストが浮腫の状態に合わせて弾性着衣の選択を行います。ケアの方法では、希望に応じて用手的リンパドレナージやセルフマッサージの指導、弾性包帯の装着指導を行っています。
外来は完全予約制で第1・3水曜日になります。
| 用手的リンパドレナージ(片肢) | 30分 | 5,910円 |
| 以後10分毎 | 1,480円 | |
| 用手的リンパドレナージ(両肢) | 30分 | 8,870円 |
| 以後10分毎 | 2,220円 | |
| セルフマッサージの指導(片肢) | 4,080円 | |
| セルフマッサージの指導(両肢) | 6,120円 | |
| 弾性包帯の装着指導(片肢) | 初回 | 4,080円 |
| 2回目以降 | 2,970円 | |
| 弾性包帯の装着指導(両肢) | 初回 | 6,120円 |
| 2回目以降 | 4,450円 | |
注意:リンパ浮腫専門外来では弾性着衣の選定以外は自費診療となり、当日にほかの科を同時に受診することはできませんのでご注意ください(歯科を除く)。
